学習能力

ホットニュース、2012年9月14日号 No.179より抜粋

「学習能力」

毎日の仕事の中で間違いや失敗、思い違いなど一度ならず二度三度犯すことがあ
る。
同じ間違いをする。同じ間違いをしないための工夫をしない。
他の人を見ていれば能率的な手順がすぐにわかるのに、非効率な自分のやり方で仕事をこなすため、他にしわ寄せがいく。
仕事全体を見て仕事の優先順位、重要度がわかってない。さらに重症なのが自分自
身で正しいと思っていることが正しくないことがある。

「学習能力」という言葉がある。
少し知恵のある動物は「学習能力」を働かせ食料にありつく。木の実を食べる、殻が固いものは高いところから硬い岩をめがけて落としたり、石を殻に叩きつけ実を取り出す。総じて動物たちが知恵を働かせ学習能力を発揮する場面は彼らが生きのびるための手段である。
人は仕事の場面で学習能力を発揮することをしなくても夕飯にありつけたり、晩酌に冷たいビールも一杯ぐらいは飲ませてもらえる。では「学習能力」を発揮しない人間は、サルより知恵がないのか、サルより向上心が劣るのか。
断じてそうではない。人は元来、目の前ににんじんがなくとも、自身の能力や知識、見識が高まるなら、労を惜しまず努力するものである。
しかし人はいつも表と裏、頑張りたいと思う心と楽をしたいと思う心が背中あわせに働いている。
人は一人一人が違う能力と人格を持っている。少ししか頑張れない人、たくさん頑張れる人、自分はどっちなのかを知ることです。
たくさん頑張れる人はそれだけ能力が高いのかもしれません。
多くを頑張れない人は頑張りどころを心得る。何があってもここだけは頑張る。この頑張りの緩急が、やがて頑張れなかったところも頑張れるようになる。

 

人間としての全面的な成長が求められ望まれます。どれだけ豊かな知識を持っていようと、他人への配慮がない。その知識を仕事の中で有効に使って仕事の改善を
行っているか。部下に対する指導力が欠如していないか。
「学習能力」を高めることも、バランスの良い人間形成も全ては学ぶことから始まります。
学ぶことは机に向うことばかりではありません。
人であれ、本であれ、芸術であれ、いい人いい本いい芸術。まだまだ、この世に存在する、たくさんの良いもの、本物に出会い、これらと向き合い学ぶことから始まるのかもしれません。

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「花は人を幸せにできる」科学的根拠

ホットニュース、2012年3月30日号 No.155 より抜粋

花は心を癒してくれる。さわやかな心持や体をリラックスさせてくれる。

れらの花の効用は花好きにとって花がなくなるとまた欲しくなるように、何と
なく花に癒しの効果があることは知られている。
私は病気の治療にも免疫力を高め、気分をリラックスさせ、優れた効果を生み
出すのではないかとも考えていた。
お年寄りが日常の生活で植物や美しいものに触れることは、ことさら重要だと
思う。

これらのことを科学的、医療的根拠に研究や調査が行われた例は極めて少な
く、データも残っていないのが現実です。みずほ情報総研が国立大学法人千葉
大学環境健康フィールド科学センター(自然セラピープロジェクト)による「花
きに対する正しい知識の検証普及事業」の調査結果が公表された。
「花の癒し効果って本当にあるの?」と言う疑問に科学的根拠を明らかにした
画期的研究結果です。

ばら(切り花)の視覚刺激がもたらす効果をオフィスワーカー、医療従事者、
高齢者、高校生を対象とし人にどのような生理変化を及ぼしたのかを調べた。

①リラックス時に高まる副交感神経活動は29%亢進、②ストレス時に高まる
交感神経活動は25%抑制されることが明らかになりバラの視覚刺激がもたら
す効果が実証されました。

さらに部屋に花のある生活が花のない生活に比べどのような心理的効果を生み
出すのかと言う調査も同時におこなわれました。
花のある部屋では「活気」の気分プロフィールが大幅に増加し、「混乱」「疲労」
「緊張・不安」「抑うつ」「怒り・敵意」などが低下することが分かりました。
部屋に花があることが和やかな気分を増進させ、家庭円満、明日への活力の
増進、花を囲んでの家族の会話も弾む効果が確実に立証されたことになる。
この結果はどの年代や職業にも確実に花に癒し効果がある結果がでました。

して実験対象者に対して行ったアンケート調査でも、科学的な癒し結果と同様の感想が聞かれた。
花きの生理的効用が花の消費拡大の動機づけとして大いに活用されなくてはならないこと、生活者に知らしめていく活動が重要です。
今回の調査結果は「花は人を幸せにできる」この言葉の科学的根拠が実証され
たと視ていいのではないでしょうか。

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お正月花の異変

2012 年12 月21 日号 No193

「お正月花の異変」

何十年に一度二度訪れる、花市場の異変です。暮れの千両の異常な高値。南天の実付きが悪く、例年の3割程度の出荷です。

お正月花の高値が予想されています。お正月には欠かせない水仙がいつまでたっても潤沢に出荷されない。黄菊や白菊にいたっても品薄が予想されている。

多くは異常に暑かった夏場の天候と降雨量、秋が短く、すぐさま温度が下がり冬に突入したこと。私が言うまでもなく、植物は人間のために、人間の都合に合わせて生きているわけではありません。

暑い夏、植物は暑さと戦わなくては生き抜いていけない。暑さに負けない仕組みは水分を蒸発させることで体の温度を下げます。

1グラムの水を蒸発させることで583カロリーの熱が奪われます。多くの水分を蒸発させればさせるだけ体を冷やすことができます。

何年何十年と生きている樹木はその根を四方八方に張り巡らし、多くの水を吸収します。水を吸収できない植物は庭や花壇、畑にある植物です。

これらの植物は日が落ちてから水やりをすることで、夜にたっぷりと植物が水を吸い、また暑い日中に備えることができるのです。

さらにどのような草も余分に吸い込んだ水分は朝に吐き出す特性を持っていて「溢水」(いっすい)と言います。夜の湿度が上がった時、葉先に水滴がたまっている、ゴルフ場など朝一番、ズボンのすそが濡れてしまっていることがありますがその現象です。

今年のように水仙の花が咲いてこないという現象は花芽分化が順調に行われなかったことが考えられます。植物が特定の季節に花を咲かせるのは、多くの場合、花芽形成が日長や温度によって決定されるからです。花芽が形成されますと、生長して蕾となり、開花します。

今年は異常な高温のため水仙が根を張ることができませんでした。このため十分な水分や養分を得られず花芽分化が大幅に遅れました。
ぎりぎり暮れの商戦に間に合うか間に合わないか微妙です。大方は年明けになりそうな気配です。そして植物は寒さにも耐える力を持たなくてはなりません。

植物が凍ることは死を意味します。寒さで凍らないために寒くなると糖分を作り耐え忍びます。理科の実験で真水と糖分の含まれた水を凍らせた経験があると思いますが、糖分やビタミン類を含んだ方が「凝固点降下」の現象が起こります。

人はその生態を利用してハウスで作っているほうれん草を出荷前に一定期間寒風にさらし「寒じめほうれん草」を作ります。そればかりでなく冬大根や冬の白菜が甘いのも植物の凍らない生態によるものです。

植物は一定の場所に根を下ろすことで、人間のように動き回ることができません。それ故に与えられた環境の中で必死に生きる努力をします。その努力は植物の生態を知れば知るだけ涙ぐましい努力です。

満足する量も満足する品質も水仙には望めないかもしれません。でも必死に根を張り、花芽をつけ、葉を伸ばした今年の水仙は、可憐に、愛おしく感じさせてくれると思います。

参考資料「植物はすごい」田中修

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コミュニケーション力

2012 年 6 月 01 日号 No164

近頃気にかかることがいくつかある。社員に仕事上での出来事を聞く。たとえば「今 日は店頭で何が売れた?」「一通り平均に売れました」中には売れなかったものをいくつも答える社員もいる。 私の真意は売れ筋の花は何、との問いである。

このことに限らず、聞いていることを答えないで、聞いてもいないことを答えるケース が頻繁にある。コミュニケーションの能力が低下しているのではないかと思うほどであ る。

仕事をする上で大切なものを一ついいなさいと言われたら。私なら即座に「コミュニ ケーション」と答える。23歳で商売を始め、商店街の活動や花屋の組合などに出向い ても一番の若造で、もっぱら人の話を聞いた。今では考えられないが一言も話さず帰 ってきたことも何度もある。

でも人の話を聞くことを苦に思うことはなかった。特に知らない話や自分と違う考えを 持っている人の話は一言も逃さないように聞いていた記憶がある。

聞き上手と言う言葉があるとすれば、きっと私は聞き上手だったと思う。しかし今でこ そ、人より余計にしゃべるが、話すことに自信がなく人前で意見を言うことは好きでは なかった。人前で話さなければならないときは極度に緊張し、胃がねじれるように痛くなり冷汗がでてきた。

いつの日かデール・カーネギーの自己啓発書を読んだとき「あらゆる人間関係に役 立つ提案を一つあげてくれと言われたら、私は真っ先にいい聞き上手になることと答 えるだろう、話し上手になりたければ聞き上手になることだ」このようにカーネギーの本には書いてあった。

今の私が話し上手かどうかは別にして、若い時、たくさんの話をうなずきながら良く聞 いていたことを思い出した。もし仕事で失敗が起こるとすればそのほとんどはコミュニケーション不足が原因だ と思う。

それでは、コミュニケーション能力は高めることができるのか? 私は最も容易に高め る事のできる能力はだと思う。犬はお腹がすくと尾っぽを振ったり、お座りをしたり、中 には吠える犬もいる。そうして私達にお腹がすいたよと訴えてくる。 言葉のしゃべることができない赤ん坊は、おしっこすると泣いて知らせる。お腹がすい ても泣く。話すことができなくても動物は自分の状況を知らせる工夫する。 人はあらゆる動物の中で最も優れたコミュニケーションツール「言語」を持ち、相手の 感情を察する能力を合わせ持っている。

人に伝えるには伝えることを良く理解する。そしてそれを正しく伝える。伝えるべき 人と信頼関係が構築されていればいるだけたやすく伝わり理解していただける。 そして共感を得て納得していただき、行動に移してもらう。

ここに必要なのは道理があ り論理的だということが相手の行動へつながる。

ぜひ聞き上手になっていただきたい、相手の真意はどこにあるのかを聞き取る力。こ の力が備わればコミュニケーション力が大幅にアップする。

仕事だけでなく何事も人は一人では何もできない。物事を完成させるために仲間が 必要です。そしてやり遂げる源泉はコミュニケーション力を一人一人が高めることに尽 きる。このように考えている今日この頃です。

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新しいフローレ21

2012 年5 月04 日号 No160

1989 年、前身フローレは日本一の花の仲卸を目指して商社Mと『フローレ21』設立しました。スケールメリットこそが顧客満足度を高めることだと信じ、売上日本一を目指しました。バブル期にかけて売上は毎年上がりましたが、お客様から大きな評価をいただくことができたかと振り返ると疑問が残ります。

その後、M社とは関係を解消し、設立から20 年が経った頃、商いの大きさと顧客満足度は決して同一線上にあるのではない、ということに気付き、今までの商売についての愚かさを反省しました。

2010 年会社の舵を切り始めました。新しい会社経営理念を定め、役員を先頭に悪しき体質、悪しき習慣からの脱却を目指しました。「花は人を幸せにできる」を合言葉に、花を買った人、花を贈られた人が幸せになるためには、売っているわれわれが幸せでなければならない。

会社や仕事に不満や疑念を抱いていてはお客様に満足を頂ける仕事ができるわけがないとも思いました。そして2012 年5 月私達は新しい道を見つけ、第一歩を踏み出しました。

社員の名刺には美しい新生フローレ21 のロゴマークが光っています。それは三本のエレメント(要素)が重なりあったものです。色は水色、オレンジ、ピンク。

オレンジだけ一辺の先が尖がっています。中心の水色のエレメントはフローレ21 のお客様、そしてこれからお客様になっていただく未来のお客様を表しています。

ピンクのエレメントは「花は人を幸せにできる」の経営理念そのものではり、私達にとって大切にしなければならない花を表しています。そしてピンクには愛や楽しさそして美しさを感じ取れる意味合いを込めました。

最後は左下から右上へ勢いよく伸びているオレンジのエレメント。社員の力強さ、未来志向、たゆまぬ成長を願ったエレメントです。中心部の色の重なりは、お客様と社員が花を通してコミュニケーションを豊かにする、そのものの意味を込めております。

これらのエレメントの下にはグリーンの文字でフローレ21の文字が刻んであります。グリーンは大地を表し、緑の大地にどっしりと腰を下ろし、根を張る。この社会になくてはならない存在へと進化し続けるフローレ21 を願っています。

私たちフローレ21 は決して商いをするだけの組織ではありません。いつの日か従業員は共通の夢や希望が持てるよう、従業員全員が共通の目標に向かえるように、それぞれが成長し続けられるよう努力いたします。これは社長と役員の仕事です。

私達が夢を持つことができるのも、成長し続けることができるのもお客様がいるからこそです。お客様に喜んでいただくことを最大の喜びとし、今日から新しい道を歩みはじめます。

 

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