日本一幸せな会社を

ホットニュース、2010年12月10日号 No.89より抜粋

私は花に携わって40年、15年が小売店、25年が仲卸。(2010年当時。現在は花に携わって49年、15年が小売店、34年が仲卸)

花屋の経験が浅く、花の知識や技術がほとんどなく、開業当時は苦労の連続でした。
その頃は一年間一億円の商いをすれば花屋とし認知をしてもらえる。このような風潮があり、その売り上げを目指し頑張りました。
そんなに難しいことではないと思っていたのですが、14年かかりました。それは花屋としての能力が乏しい、経験が浅いことが主たる理由でした。
目標を達成した私は自分にもっと適した花の商売があるように思い、仲卸の開業に踏みきりました。
ここでも、5年で東京で一番の売り上げをあげる仲卸、10年で日本一の売り上げをあげる仲卸を目指す目標を掲げ商売に励みました。
当時大阪の和秀が日本で一番の売り上げをあげていた仲卸で、開業にあたり大阪へ出向き、金子社長に『仲卸』としての教えを受けました。
40年を振り返り、自分が掲げてきた目標に大きな疑問と同時に愚かささえ感じるようになりました。
なんと自分勝手な目標を追い求めてきたのだろうか、一度しかない人生を自分の要求を満たすためだけに使う人生で、後悔はないのか。
自己を満足させる、そのような目標にはたして大きな価値があるのか。
人として人間として成し遂げる目標にしては、いささかお粗末だったと、言わざるを得ない自分がいたように思っています。
私達が目標として掲げるものの価値はどこで見出されるのか。その掲げる目標が多くの人から共感や共鳴、支持がえられるのか、多くの人の賛同がえられるのか、ここに価値の大小があるのではないかと考えるようになりました。
自分が40年前に戻れたなら、もっと大きな価値を見出し、もっと大きな価値のために働きたいと思っています。

今からでも遅くはない、今からでも出来ることを目指さなければならない。
私の最後の目標『日本一幸せな会社の実現』です。この目標こそ人生の目標にして有り余る価値を持っている目標だと考えました。

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仕事はどこで終わるのか

2010 年7 月30 日号No70

豆腐屋さんが豆腐を作るという仕事がどの時点で終わるのか?大豆を半日水に浸し、大豆をクリーム状にし、煮詰める。煮詰めたら、布にくるみ豆乳を搾り出す。その豆乳ににがりを入れかき混ぜる。やがて豆腐が固まり出来上がる。何も豆腐の作り方の講習を行うのではありません、豆腐屋さんの仕事はここで終わるのでしょうか?

豆腐屋さんが豆腐を売らなければここで終わるのですが、この豆腐は一丁一丁お客さんに買っていただきます。買ったお客さんが、その豆腐を食べ「美味しい豆腐だ」と感じていただいて豆腐屋さんの仕事がやっと終わるように思います。そのため水に浸す時間、当然夏と冬で違います。大豆のできにより、煮る時間も違ってきます。

にがりの種類から、かき混ぜる具合、全ての工程でその豆腐屋さんの長年の技が発揮されます。それは「これこそお客さんが喜んで舌鼓を打ち、これが豆腐だと言ってくれるものを作ろう」との思いがあるから豆腐作りに日夜励む事になる。

それでは花屋の店頭にお客様が来て、「お友達のお店のオープンに持っていく花束を作っていただけますか」こう言われたとしましょう。さて皆さんはどのようなものを作るのでしょう。

依頼主のご予算、好み、依頼主の様相からそっと依頼主の好み見計らうのでしょう。勿論送り先のご商売、彩りや季節感も大事でしょう。花束を作り上げ、ラッピングを施し、依頼主の了解を取り付け出来上がります。

豆腐屋さんと同じで、ここでこの仕事が終わるのではないと思います。お客様が花束を贈る先に持っていき、先方から少なくとも「わぁ、素敵な花、ありがとう」ここで私達の一つの仕事が終わるのではないでしょうか。私達仲卸もまったく同じです。注文が来て、注文どうりに荷揃いした。ここで仕事は終わらない。依頼主の要望に沿ってお届け場所、お届け時間、揃えたものが依頼主の要望に沿っていたか?更に実際に使っていただく、使い勝手が良かったか?予算どおり収まったか。

少なくともここまで仕事を見届ける作業を繰り返すことが、次の仕事をステップアップさせるように思う。今年4月に亡くなった作家井上ひさしさんは自分自身の仕事についてこう言われています。

「作者が作品を書き上げた途端、その作品は完成したのである、というのが世間の常識であるが私はそう考えない。・・・・読者を想定した瞬間からその作品は作者のものであると同時に読者のものであると言う塩梅になるのだ。読者が読み終えてはじめてその作品は完結する・・」

私達はどのような仕事であってもおろそかにしてはならない、その仕事から次の仕事へと学ぶものを積み重ねて、より高度な仕事を目指す、仕事は何よりもの重要な教科書です。

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日本一幸せな会社を

2010 年 12 月10日号 No89

私は花に携わって40年、15年が小売店、25年が仲卸です。 花屋の経験が浅く、花の知識や技術がほとんどなく、開業当時は苦労の連続でした。

その頃は一年間一億円の商いをすれば花屋とし認知をしてもらえる。このような風潮 があり、その売り上げを目指し頑張りました。 そんなに難しいことではないと思っていたのですが、14年かかりました。それは花屋 としての能力が乏しい、経験が浅いことが主たる理由でした。

目標を達成した私は自分にもっと適した花の商売があるように思い、仲卸の開業に 踏みきりました。 ここでも、5年で東京で一番の売り上げをあげる仲卸、10年で日本一の売り上げを あげる仲卸を目指す目標を掲げ商売に励みました。 当時大阪のW社が日本で一番の売り上げをあげていた仲卸で、開業にあたり大阪 へ出向き、K社長に『仲卸』としての教えを受けました。

40年を振り返り、自分が掲げてきた目標に大きな疑問と同時に愚かささえ感じるよう になりました。 なんと自分勝手な目標を追い求めてきたのだろうか、一度しかない人生を自分の要 求を満たすためだけに使う人生で、後悔はないのか。

自己を満足させる、そのような目標にはたして大きな価値があるのか。 人として人間として成し遂げる目標にしては、いささかお粗末だったと、言わざるを得 ない自分がいたように思っています。

私達が目標として掲げるものの価値はどこで見出されるのか。その掲げる目標が多 くの人から共感や共鳴、支持がえられるのか、多くの人の賛同がえられるのか、ここ に価値の大小があるのではないかと考えるようになりました。

自分が40年前に戻れたなら、もっと大きな価値を見出し、もっと大きな価値のために 働きたいと思っています。今からでも遅くはない、今からでも出来ることを目指さなければならない。

私の最後の目標 『日本一幸せな会社の実現』です。この目標こそ人生の目標にし て有り余る価値を持っている目標だと考えました。

4月に新しい理念を掲げ、今までにない社員の息吹を感じながら歩み始めているフロ ーレ 21 を暖かく見守っていただきたいと思っています。

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フローレのいちばん大切なものは

2010 年3月05日号 No49

「会社は誰の為に存在するのか?」 いくつかの存在する理由がある。

一つは大切な顧客と未来の顧客、お客さんの為に存在する。 二つ目は社会を構成する一員として存在するのであるから、仕事を通し社会的 役割を担い、社会に対しなにが出来るかを考え続ける。 三つ目はそもそも会社とは株主が資本を出資し設立出来ているのだから株主に 配当を出し、さらに利益を出すことが必要である。 四つ目は社員やその家族、パートや付随的仕事を共に行なっているパートナー、 これらの人達も会社にとって大切な存在です。

私はフローレにとって4つの存在する理由に序列をつけることを提案した。そして、それを取締役全員で討議した。 ある役員はお客さんがいなければフローレそのものが成り立たない訳だから 「第一番はお客さんでしょう」ある役員は「社会の中で存在していると言う事は その社会的役割を果たすことが一番でしょう」 ある役員は「そもそもそんなものに序列をつけることがおかしい、どれも大切で序列などつけられない」

一時間もの長い間討議をしましたが結論がでませんでした。私自身もその場では順序などつけられない。でも序列をつけたい。それは自分がさまざまな問題に確信のもてる判断をするのに必要だと思ったからです。 結論を得ないまま取締役会が終わり、私の原案を3月までに整えて社内で説明 する事とした。

取締役会が終わり私は何時間も考え続けました。どうしても4つに順番をつけたい。フローレが一番大事にしなければいけないものが4つの中にあるはずだと。 三日目に私なりの結論が出ました。私は昨年、全国仲卸の社団法人設立のパーティーの最後の挨拶でこう言いました。

「花は人を幸せに出来る、花を買った人や花を贈られた人が幸せになるためには、花を作っている人や花を売っている人が幸せにならなければなりません・・・」

私はフローレの社員やその家族が幸せにならなくては、とてもお客さんにも満足な対応などできるわけがない。フローレとして社員やその家族の幸せを一番に考える事が全てに通じるのではないかと考えました。

考える事は出来てもこれからが大変です。フローレは上場することはすでに諦めました。そんなに沢山の利益を出す事を求めなくてもいい。社員やその家族 が今より少しずつ幸せになれるだけの利益をだし、少しでも幸せを享受した社員は、その幸せをもらった多くのお客様に日々感謝し仕事をする。

自分達が働く会社が一番と思ってもらえる。自分が所属する組織を愛し感動する社員、この社員が真に心を込めた接客やサービスと感動をお客様に伝える事が出来る。 そんなフローレを早く実現したいと思っています、私の自己革新努力にかかっています。

 

 

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