ある日一枚の絵葉書が届いた。厳密に言うと、届いたのではなく数人の友人知人を介しての手渡しだった。
表面には僕の名前。裏面には波にさらされた流木に1本のバンダが添えられていた。そして短いメッセージ。
「ここは、あなたが思ってるより素敵なところよ」
なんとも、彼女らしい。
彼女と会ったのは、当社が主催する接待の食事会。僕がする方で彼女がされる方。
もっともお互い小さな会社で、接待というよりも、「夏だし、会社のお金で飲み会しますか?」的な感じだった。
その食事会で若い男性社員が僕だけだった事もあり、いつのまにか僕の周りには女子が集まっていた。
一見ラッキーにも思える雰囲気だけど昨今はそうもいかない。敬称を間違えると男尊女卑、楽しく酔ったつもりがモラハラ、最近はうかうか酔ってもいられない…。
そんななか1人の女性が遅れてやってきた。一応この輪に入るようだけど少し酔っているようだ。みんなが楽しく談笑するなか、彼女は酔って寝ているのか黙って聞いているのか、頬杖をつき目を閉じたままだった。
程なくして彼女がこう言う「貴方はとてもモテるでしょう?あっ、大丈夫。この質問に回答は要らないわ。だって貴方の答えが想像つくから。」
「貴方と話していると優しい気持ちになれて安心するけど、どの話もドキドキしない。つまり貴方は退屈な人」
その時僕はどんな顔をしていたのだろ?
彼女が話し終えると同時ぐらいに同僚の女子が彼女の口を抑えていた。なんでも、酔うと絡む癖があるらしい。
それからひと月もしないうちに、彼女が会社を辞めたと聞いた。原因までは伝わってこなかったけど、なんとなく釈然としない日々が続いた頃に届いたのがこのエアメール。
お盆に帰省する田舎もないし、行っときますか。
Webで航空券を予約する。目的地はインドネシア、マルク諸島。
君はここにいるんでしょ?そのバンダ海に。
Fin…
こんにちは。
最近までは寒い寒い言っていた今夏ですが、取り戻してきましたね、暑い!。
さて、今回はバンダ。インドネシアにはバンダ海というスクーバダイビングの聖地があるんです。そのバンダつながりで、バンダ(笑)
彼女は、彼を試したようですが見事に当てたようですね。お幸せに。
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長友まで。