WeekendFlower「アネモネ」

丘の上の教会が夕日に照らされる頃、漁を終えたたくさんの船が港に戻ってくる。

西日を背にした船はどれも一様に同じに見え、貴方の乗る船がどれだか判らない。

だから私はこの大きな木の下に立ち、ただ入江を見つめて小さく微笑む。

貴方から見えるこの島は、黄金色に染まりさぞかし素敵に見えている事でしょう。

程なくして、足取り重く坂道を登ってくる貴方の足音が聞こえてくる。

船が港についてから貴方がこの家の前を通り過ぎるのまでの時間が1時間程度の場合は不漁の合図。

私が眠りにつく頃、小気味よい歌を口ずさみながら、おぼつかない足取りで坂道を登ってくるときは大漁だった合図。

そんな貴方の生活のリズを私は知っているけれど、貴方は私を知らない。

正確にいうのなら、貴方は私を知っているけれど私の貴方への気持ちを知らないと言うべきだろう。そしてもっと正確にいうのなら、僕の貴方への気持というべきなのだろう。

 

みんなが楽しそうに「僕は紅茶よりもコーヒーの方が好きだな」とか「私は夏の暑さよりも冬の厳しさの方が好き」だとか、そんな風に簡単に「僕は君が好きなんだ」って言えればどんなに素敵なことだろう。

不漁のとき早めに帰る貴方は家で何をしているのだろう。大漁の時に貴方が行く酒場ではいつもどんな話をしているのだろう。

 

そして僕は今日もまた貴方の帰りを待つ。この大きな木の下で。

この島に2度目のボラが吹くまでは。

僕はアドニスの元に咲くアネモス

古代ギリシャ時代。2人の女神に愛された美しい青年アドニス。愛されるが故に迎えた悲しい結末。その青年はいつしか風の花アネモスになったとか。

興味のある方はぜひググってみてください・・・。

そんなアネモネ含め各種のお問い合わせはこちらまで。

株式会社フローレ21葛西店 長友