こういう状況も一目ぼれというのだろうか?
フロアは同じでも結構席が離れてる。彼女のワークエリアは東側で、僕は南側。
直接話したことは無く、たまに同じエレベータに乗り合わせたり、廊下ですれ違う程度の距離。顔だってすれ違う際に視界に入るぐらいだったから、先日の数秒間は正直驚いた。
その日、いつも使う南側のコピー機が壊れ、やむなく東側のコピー機を使うことになった僕は、彼女の後ろを通ることになった。
よくある話で、彼女が立ち上がった瞬間に、後ろへ流れた椅子に僕がぶつかり、「あっ、ごめんなさい」から始まった、ほんの少しの立ち話。
あらあら、こんなに可愛い人だったなんて・・・。
年上だと思っていたのに、たぶん、結構年下。眼鏡の奥の瞳は黒目がちで、とても大きい。
数日後、僕たちはドライブに出かけた。途中、海の見えるビストロでランチをし、取り留めもない話をしているうちに、気が付くと旧市街が夕日に染まっていた。
「もしよかったら、イブは一緒に過ごしませんか?」
既にX’masデコレーションで彩られたデパートのショウィンドウ。そのガラスに映る彼女に向かい、僕はそう告げた。
彼女はゆっくりと僕のほうに向きなおり、僕の右頬に承諾の代わりのキスをした。
そんな夢を見た。
その日以来、彼女を意識する日々が始まる。
たまに南側のコピー機の電源を落としたりもしたし、頻繁にエレベータに乗るようにもした。僕にしてみれば既にデートしているのだから「来週の週末もどう?」という心境ではあるものの、それが現実ではないと、理性が僕を諭す。
そんな悶々とした生活のせいか、営業先で大きなトラブルが起きる。原因は僕のポカミス。外出先から戻り仕事に取り掛かる。
「今夜はリカバリーで徹夜だな」カレンダーを見ると今日は12月24日。
「明日X’masじゃん。まっ予定はないけど」そう独り言ちると現実味が増した。
「お疲れさま。今夜は遅いみたいですね」気付くと彼女がすぐ側で立っている。
「今日の約束、明日にリスケしますか?それともこの仕事、さっさと2人でやっつけて遅めのディナーに行きましょうか?」
そんな不思議なX’masの夜のお話。
「コニファー」
街はもうX’masムードでいっぱいっですね。Instagramでも、こぞってリースの画像がアップされていたり。
そんな葛西店も、国内外のリース素材でいっぱいです。このチャンスお見逃さずに・・・!