「ねえ、知ってる?好きな人の誕生花の花びらをポケットに1枚忍ばせて、その人のことを想うとその恋が叶うって。ちなみに私は10月だから、コスモスだよ。」
ある日の学校帰り、自転車に乗りながら、あいつが突然話しかけてきた。
僕らの中学校では、自転車通学の際ヘルメットが義務化されていたから、正直うまく聞こえなかったけど、そんな内容だったと思う。
咄嗟に「そんなの迷信だよ、ばーか」と答えてた。
単なる幼馴染だったあいつを気になりだしたはいつ頃だったのだろう。いつの間にか冬が春になり、夏が終わって鈴虫が鳴き、星がきれいになって冬を感じる。そんな「いつの間にか」だったんだと思う。
翌朝あいつよりも早めに家を出て、通学路の傍らに咲くコスモスの花びらを1枚胸ポケットに忍ばせあいつを想ってみた、そう恋の成就を願って。
その日の朝礼で、あいつが外国に転校したことを知った。「やっぱ、迷信じゃん」
毎年、この時期になるとあいつを思い出す。そして、まだ、花びら一枚胸ポケットに入れたりしている。
「ダブルクリックローズボンボン」
もうすっかり秋ですね。昨日のFMラジオでは「もうクリスマスまで90日を切りました!」ですって。秋、楽しまないと。ということで今回は北海道・月形のコスモス。僕が花びらを忍ばせていたのは八重咲きではありませんが。。。(笑)そんな遠い記憶をストーリー仕立てにして見ました。お求めは葛西店まで。
長友