唐突だが、僕は、たまに浮気をする。そんな時、決まって思い出すのが、昔読んだ本の一説。
「恋愛のほとんどは、事故のようなもの」
今から20年も前になるだろうか、初めて女性にプレゼントした花束。当時付き合っていた女性の誕生日だった。
「差し上げたい方のお好きな色や、イメージ、差支えなければ年齢などお教えいただけますか?」
意を決して飛び込んだお花屋さん突然質問され、咄嗟にこう答えた。
「そう、温めたミルクに濃い目のコーヒーを入れて飲むのが好きな方です」
色はもとより、かすかに冷めたミルクのような香のするバラ。この時、カフェラテというバラがあるのを初めて知った。
積極的に、昔の手紙を読み返すわけでもないし、携帯の中の膨大な写真の中から探し出すわけでもない。まるで事故のようにこの香りと出会うとき、瞬間的に当時と彼女が思い出される。それは望むと望まざるとにかかわらず。思い出される記憶はどれも美しい。その香りと、記憶の1つ1つの輪郭が形を失うまでそれは続く。妻には知られていない僕の浮気。
でも、もしかしたら妻にもそんな香りの記憶があるのかもしれない。
「カフェラテ」
ようやく涼しくなり、秋を感じる色目の花材も似合うようになりました。武田バラ園さんの「カフェラテ。」私の好きな花材の1つです。かすかに感じる甘い香りをストーリー仕立てにしてみました。お求めは葛西店まで。
株式会社フローレ21
葛西店 長友