花の市場まで車で30分。市場の朝は早い。
競りの開始は朝の7時だけど、希少花材や小ロット花材は場内の仲卸で調達する。
深夜、日付が変わるころから並べられる花材、目ぼしい花材は朝の4時には無くなってる。そんな時、いつも思う。みんないつ寝てるんだろう?
でも、そういう私もいつしか「深夜のミツバチ」に仲間入りしている。
「ニママ、おはようっ!いきなりですが、問題です。12月24日は何の日でしょう。チッチッチッ。。。」
「ピンポン、クリスマスイブ!って他に考え付かないけど、朝からどーしたの?」
「正解は、ママの13回忌!。まっ、そんなの知るわけないか。でも、今回ニママに、ママへのお供えのお花作って欲しいんだ。当日はパパと取りに来るからね。」
そう言ってまた、振り向かず右手を上げて帰ってく。もういい、この既視感。
でも、今年13回忌なんだ。中学生の彼にママの記憶がないのも頷ける。
20年前、あんな風に別れなければ。そして、あんな風に出会わなければ。そんな空しいタラレバの想いと、温もりが消えない記憶の断片が、店先に吹く木枯らしに舞っている。
「こんにちは」
13回忌の朝。何の変哲もないつも通りの朝。ただ、いつもと少し違うのは、今日はお父さんと一緒。たぶん、お父さんはこう言いたかったんだと思う。
「いつも息子がお世話になってます。なにか、ご迷惑をおかけしてませんか?」
でも、実際は違った。
「君だったんだね。」
いくつかの点と点が線でつながり、その線が20年の時間を超えて過去の点とつながる。そして、居心地の悪かった既視感が、今現実のものとして証明される。
「あの子の一つ一つのしぐさが貴方に似ていていたのね。」と私。
「あの子から聞く貴女のしぐさが、そう、あの貴女に似ていて」と彼。
「ねえパパ、もうママを自由にしてあげても良いんじゃない?パパがママを想っている限り、ママも天国で恋人できないよ。そう、今日からニママが、ママに、でどう?笑。」
クリスマス。久しぶりに思う、「みんなが幸せになりますように」
I wish for everyone’s happiness
Merry christmas!
「パロット咲きのチューリップ」
最近は、クオリティの高いラナンキュラスに押されがちなチューリップですが、媚びない美しさと存在感のパロット咲き。ようやく出荷が増えてきました。この後続くミステリアス、ブラック等とても楽しみです。ちなみにチューリップ全般の花言葉は「思いやり」。誰かを想うこのシーズン。ぜひご利用くださいませ!そんなチューリップのお問い合わせ、またはその他「お花の仕入れ」についてのお問い合わせはこちらまで!
株式会社フローレ21
葛西店